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平成26年度「ふくしま米」懇談会/ブランド復活の足がかり米
「安全・安心」で「おいしい」を福島からを全国へ
全量全袋検査を継続。「中・外食」への対応強化

2014年10月31日
 「安全でおいしい米」を福島から全国へ--。「お客様が求める米づくり」を福島から全国へ--。平成26年産福島米は集荷の初期段階ながら1等米比率97%という上々の滑り出しを見せているほか、3年目となる放射性物質の全量全袋検査では、これまで検査を終えた約210万袋(30キロ)から「99・9%以上」が検出限界値未満となっている。「安全・安心」はもとより高品質・食味「特A」ふくしま米出荷が期待できそう。
 JA全農福島は10月8日に平成26年度「ふくしま米」懇談会(ふくしま米需要拡大推進協議会が共催)を開き、作柄概況や産地の取り組み(安全・安心対策、新たな米戦略、26年産販売計画等)を説明し、福島米を取り扱う全国(北海道・関東・関西・沖縄)の主要取引卸と意見交換を行った。
 産地側から畠利行県農林水産部長、大波恒昭水田畑作課主幹、和田山安信農産物流課主幹ら県幹部のほか、大橋信夫JA福島五連会長、結城政美副会長、川崎史郎JA福島中央会常任参与、大貝浩平JA全農本所米穀部長、本田良智JA全農福島県本部長、猪股孝二副本部長、太田達也米穀部長らが出席し説明を行った。
 JA全農福島説明の平成26年産米取り扱い方針によると、前年より引き続き「安全・安心」「おいしい」を重点項目とし、コメ消費構造の中で比重が高まっている外食・中食への対応を強化しながら、東日本大震災・原発事故の影響で失った量販店など店頭の売場回復にも努め、「福島米復活」の足がかりとしていく。


あいさつする大橋信夫福島五連会長。(左)は結城政美副会長、(右)は畠利行県農林水産部長 取引卸代表23社が出席

 10月18日からはアイドルグループのTOKIOを起用した福島米のテレビCMを放映してPRを強めるほか、10月25日付け全国紙2紙(朝日新聞・読売新聞)に広告(「おいしいふくしまできました。」カラー全5段)を掲載し、消費地での販売を支援する。またJA全農福島直結のホットラインとなる「お客様相談窓口」をフリーダイヤルで設置し、量販店などで売られる米袋にその番号を記載。消費者の疑問に産地が直接答えられる態勢を整えることで消費者の不安解消に努め、量販店等の売場回復につなげていく。
 外食・中食市場への対応では、業務用米に適した「天のつぶ」を活用しつつ、福島県産米使用を明記できる実需者を中心に販売拡大の取り組みを強化。学校給食や事業所給食、宿泊施設等向けに米プラス県産農産物の使用を勧めるキャンペーンも展開する。平成26年産では「売り切る販売戦略」は必要とし、業務用も含め販売形態を考慮しながら「弾力的な価格」を提示し販路拡大に取り組む考えを示した。実需からのきめ細かい要望に対応するため、「会津・中通り・浜通り」や「コシヒカリ・ひとめぼれ・天のつぶ」等の福島ならではの幅広い選択肢をより明確にしていく。中・長期的には作付品種の変更も視野に入れる。

※「天のつぶ」は平成26年産で本格的な県外デビューを迎える県オリジナルの良食味多収品種で、26年産作付見込みは3500ヘクタール。作付けベースでは2万トンを超える生産量が見込まれ、JA全農福島はこのうち6000トン以上を取り扱う。コシヒカリ・ひとめぼれ並みの良食味で、コシヒカリより若干硬めのしっかりした食感が特徴。特に20〜30歳代の若い世代ではコシヒカリより「天のつぶ」を好む傾向があり、若い層ほどリピート需要が強いという。ひとめぼれと同じ施肥量で10アール収量はひとめぼれを30〜60キロ上回る多収品種でもあり、この強みを生かして外食・中食市場へのアプローチに力を入れ、主力品種に育てていきたい戦略がある。短稈で倒伏に強いなど栽培特性にも優れ、県やJAグループ福島では平成27年産では作付面積を6000ヘクタール(生産量にして4万トン前後)ほど拡大する計画にある。

●収穫間近のほ場

JAすかがわ岩瀬(10月6日、ほ場はコシヒカリ) JAそうま(9月30日、ほ場はコシヒカリ)

JA会津みどり(9月28日) JAそうま(9月30日)

 なお、JA全農福島の平成26年産主食用うるち米販売計画は前年の最終集荷数量とほぼ同じ11万3544トンで、品種別・地区別内訳は次の通り。コシヒカリ8万3454トン(会津4万0872トン、中通り3万5346トン、浜通り7335トン、以下同)、ひとめぼれ1万8985トン(1万2513トン、4460トン、2011トン)、「天のつぶ」6626トン等となる。
 今年で3年目となった放射性セシウムの全量全袋検査。検査点数209万9859点(10月7日現在)のうち、検出限界値未満(25ベクレル/キロ)が209万9556点と99・9%以上を占め、残りは25〜50ベクレルが302点、51〜75ベクレルが1点だけで、それ以上の値は検出されていない。放射性物質吸収抑制対策の取り組みでは、水田の土壌・用水のセシウム検査や深耕・反転耕の実施、農作物への移行を抑制するカリ肥料・ゼオライト資材の散布など各段階で対策を徹底してきた。「これまで取り組んできた吸収抑制など入口対策の徹底が奏功した形で、現時点では99・9%以上が検出限界値未満。入口と出口(全量全袋検査)双方の対策を徹底し、平成26年産も安全を確認できた米のみ出荷していく」との考えを示した。
 意見交換では、出席した卸各社から次のような提言や状況報告があり、産地と連携して福島米拡大することを誓った。
 「福島コシヒカリ・福島ひとめぼれなどと、県産名を入れた販売を広げていくことが大事。当社でもそう売っていくし、平成26年産は取り扱い数量を増やす。複数年で業務用に使ってもらえる販路も拡大したい。“福島米”として販売拡大するためには何をすべきかを関係機関一体となって考えてほしい。また、消費者の不安払拭を重視する観点から全量全袋検査は当分続けてほしい」(卸A社)
 「福島米は、大震災まで当県のコメ消費の2割近くを占めるなど県民が慣れ親しんだコメだった。大震災以降は苦戦が続いたが、最近になって地元のローカルスーパーが取り扱いを始めたところ、買いやすい価格に設定したこともあり、驚くほどの売れ行きを見せ、それを見て大手スーパーも扱い出すなどの動きが出てきた。もちろん『福島コシヒカリ』『福島ひとめぼれ』として販売している。販売回復の兆しが見え始めた」(卸B社)

●“安全”な米のみ出荷/3年目となった全量全袋検査

JAすかがわ岩瀬(10月6日) 平成26年産福島米初検査(9月12日、JA会津みどり)

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